2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修科目になりました。
現在、世の中ではプログラミングの知識や技術をもった人々が多く活躍しており、全国に10,000以上のプログラミング教室が存在します(※2021年時点)。
2023年にeラーニングが実施した調査では、「子どもに何の習い事をさせたいですか(させる予定ですか)」という質問に対してプログラミングが1位になり、プログラミング教室に対する保護者の方たちの関心の高さが窺えます。
そこでこの記事では、「子どもをプログラミング教室に通わせたい」と思っている親御さん向けに、子どものプログラミング教室の選び方と、教室選びを失敗しない方法についてまとめました。
子どものプログラミング教室、選ぶなら理想と目的を明確にしよう!
まずは、子どものプログラミング教室を決めるにあたって、理想や目的を明確にすることが大切です。
理想や目的や料金がズレていると、教室選びはうまくいきません。プログラミングスクールを検討するとき、親御さんが考える項目は以下の通りです。
理想や目的で親御さんが考えること
- 予算はどれくらいか
- どのような形態で受けたいのか(個人または、集団での学習)
- 一週間あたりどれくらいの頻度
- カリキュラムは自分の子どもにあっているか
それぞれを解説していきます。
目的
お子さんが、プログラミング教室に通う目的は何でしょうか。
- 小学校でのプログラミングの授業についていくため
- 将来の仕事に役立つようにするため
- 小学校入学前に経験させたい
このように親御さん親目線で決めたプログラミングを習わせる目的もあるでしょう。
とはいえ、受講するのはお子さん自身です。親御さん目線の教室選びよりも、お子さんの性格や、プログラミングに対する理解度や意欲で教室選びと目的設定を行っていきましょう。
予算
習い事にかけられる予算は家庭によって経済状況が異なるので、継続可能な金額を決めておきましょう。
また、プログラミング教室は月謝だけでなく、入会金・教材費・授業料・その他の費用が必要となります。
「初期費用でこれくらい」「月謝でこれくらい」というイメージで予算を決めておきましょう。
指導形態や指導を受ける際の人数
子どもにとって相性の良さそうな指導形態は何かを考えてみましょう。
指導形態は主に「個別指導」「グループ指導」「オンライン指導」の3つの形態があります。子どもによって、形態の向き不向きがあります。また、形態によって、指導の特徴や費用も異なるので各種の特徴を紹介します。
個別指導
先生1人に対して子ども1人のマンツーマン形式で指導が行われます。
個別指導のメリット
マンツーマンなので、個人に合わせた丁寧できめ細やかな指導が特徴です。子ども一人一人のペースに合わせて指導してもらえます。
個別指導のデメリット
指導が一人に対して手厚い分、3つの指導形態の中でもっとも費用が高いといえます。
グループ指導
複数人の子どもが決まった時間に同じ教室内で学ぶ形態です。先生1人が、一度に子ども2〜4人に教えるのが一般的な人数です。
グループ指導のメリット
同世代の子どもたちどうしでコミュニケーションを取りながらプログラミングを楽しく学べます。ともに高め合える大切な友達がもできるかもしれません。負けず嫌いな子どもであれば、他の子どもから刺激を受け、意欲的に学べるでしょう。
グループ指導のデメリット
先生は複数の子どもを同時に教えるため、目の行き届かないところが出てきてしまいます。個別指導ほどの手厚い指導は望めないかもしれません。
オンライン指導
自宅にいながら教室の先生とオンラインでつながり学習するスタイルです。オンラインでつなぐ子どもの人数はマンツーマンの場合もあれば、複数人で同時に指導を受ける場合もあります。オンライン指導は教室を使用しない分、比較的費用は安めになるのが一般的です。
オンライン指導のメリット
プログラミング教室に通学する必要がありません。家で学べて、通学の場所や時間に捉われず受講できるのは最大のメリットです。
オンライン指導のデメリット
常にオンラインであるため、先生からの生の指導を受けられません。直接教室に通い指導を受けるよりも、上達が遅くなる可能性が考えられます。
スケジュール
プログラミングスクールのスケジュールは子どもや親御さんの生活スタイルにあっているかを確認しましょう。
週に何回、何曜日に通いたいのか。家では週に何時間くらい学習できそうか。
他の習い事と曜日が重なっていたり、時間的にハードなスケジュールを設定してしまうと、子どもが負担を感じて続けにくくなります。
親子で楽しく、心に余裕を持ってプログラミング教室に通うためにご自身の家庭にあったスケジュールであるかを確認しましょう。
カリキュラム
プログラミングスクールにはそれぞれカリキュラムがあります。
- 難易度はどのくらいなのか
- 1回の授業は何分なのか
どのような内容を子どもに学ばせたいかを考えておきましょう。
子どもの年齢や性格によって、集中して学習できる時間は異なります。
自分の子どもがどのくらいの時間なら集中して授業を受けられるのか、学校の宿題に取り組んでいる様子などを見て参考にするといいですよ。
プログラミング教室の選び方で間違ってはいけないポイントは?
プログラミング教室の選び方で間違ってはいけないポイントがあります。
子どもが楽しんでプログラミングを学び続けられるように、以下のポイントに気をつけましょう。
年齢やレベル感に合わせたカリキュラム
子どもの年齢や、学習レベルに合ったカリキュラムのプログラミング教室を選びましょう。
子どものレベルに対して学習内容が簡単すぎても難しすぎても、子どもはやる気をなくしてしまいます。
選ぼうとしているプログラミング教室の対象年齢が自分の子どもの年齢とあっているか、内容が自分の子どもに合っているかを照らし合わせてみましょう。
目的と子どもの興味にあっているか
プログラミング教室を選ぶ際は、目的に沿った学習内容かを確かめましょう。通わせたプログラミング教室の学習内容が目的にあっていない場合、「こんなはずではなかった」と後悔してしまうので注意が必要です。
また、学習内容が子どもの興味にあっているかも重要ですよ。
子どもが「これをやってみたい!」と進んで学習できる指導内容だと長続きします。
体験学習を無料で行っている教室が多いです。積極的に利用して、子どもが授業内容に興味を持っているのか、どんな内容に興味を持つのかを親御さんが直接目で見て確認するといいですよ。
料金設定は適切なものか
料金設定が適切なものかを親御さんの目で見て判断するのは大切です。
同じようなサポート内容でも、プログラミング教室によって価格が異なります。
料金設定が適切であるか判断するために、はじめから必ず一つの教室に絞らず、複数のプログラミング教室を見てみましょう。
体験学習に親御さんがついていき、学習している状況を実際にみるのも大切です。その価格に指導内容が見合っているか正確に判断する材料となりますよ。
雰囲気が子どもに合うか
楽しく集中して学ぶためには、教室の雰囲気も重要です。
- 内装や雰囲気
- 他にどんな子どもが通っているか
- どんな先生が教えているか
教室の雰囲気が自分の子どもに合うかどうか、子どもが安心して楽しく学べる環境かどうか調べておきましょう。
いくら口コミがよかったとしても、子ども本人との相性が一番重要です。相性の良し悪しを優先しながら教室を選びましょう。
通学のしやすさ
教室に通う場合、通学のしやすさもポイントです。
いくら子どもが楽しく学べても、送り迎えの手配や通学時間に無理があると長続きしません。
通学に使用する交通機関やかかる時間を想定し、行き帰りをシミュレーションしながらプログラミング教室を選びましょう。
プログラミング教室を候補をあげるとき判断材料になるもの
プログラミング教室の候補をあげるとき、判断材料になるのはネットの口コミや無料体験です。
また、知っているお子さんが通っている場合は通っている様子を聞いてみるのもいいでしょう。
とくに無料体験はとてもおすすめです。
無料体験では、実際に教室の中を見たり、先生や子どもの様子を見れたりします。
無料体験を受けてみると、教室の雰囲気を直接感じとれて、子どもに合っているか判断する際にわかりやすいでしょう。
気になっているスクールが無料体験を実施していたら、チャンスです。
まずは利用してみましょう。
プログラミングを子どもに習わせるメリットは?
そもそも、プログラミングを子どもに習わせるメリットはなんなのでしょうか。
メリットはさまざまなものがありますが、具体的には以下の通りです。
プログラミングを習わせるメリット
- 将来なりたいものの選択肢が広がる
- 年収アップを目指しやすい
- 問題解決能力や論理的思考が身に付くアイディアを形にできる
一つずつ見ていきましょう。
将来なりたいものの選択肢が広がる
プログラミングの技能を使う仕事は世の中にたくさんあります。なので、プログラミングスキルがあるとグローバルな場面で活躍できる可能性も高まるのです。
ソフトウェアの開発、アプリの開発、ゲームクリエイター、セキュリティエンジニア、AIエンジニア、CG映像オペレーター・クリエイターなど。
プログラミングを学ぶと、将来なりたいものの選択肢を大きく広げられるのです。
また、プログラミングを使う仕事は自宅からのリモート作業が可能です。そのため、時間や場所に縛られずに自分のペースで仕事を行えます。
年収アップを目指しやすい
将来仕事を始めてからの年収アップを目指しやすいことも、プログラミングを学ぶことのメリットの一つです。
年収アップには、起業や独立するか副業をするかの2つの方法があります。
プログラミングは専門性が高い技能です。プログラミングの技能をもとに起業や独立ができますよ。
たとえば、受託プログラマーとして、企業から依頼を受けてwebサービスを構築したり、モバイルアプリやwebシステムなどの自社サービスを売ったりできます。
プログラミングを使いながら個人で請け負える仕事は様々なものがあるのです。
そして、起業だけでなく副業にも役立ちます。
たとえば、土日だけプログラマーやエンジニアとして働き、本業の収入に加えて月に10万円ほどの副収入を得ている人は今や少なくありません。
問題解決能力や論理的思考が身につく
プログラミングを行っていく上では、効率よく問題を解決できる方法を考えることが必要になるので、問題解決能力を身につけられます。
システムに対してどのような指示を行えば、自分の意図する活動ができるのかを考えていくので、論理的思考力の強化にも繋がるのです。この倫理的思考力は、プログラミング以外でも様々な分野に役立ちます。
アイディアを形にできる
ひと昔前は、「こんなものがあったらいいな」と思っても、それを形にする手段がありませんでした。コンピューターも普及していないことから、プログラミングの技術を学ぶ人はほんの一部だったのです。
しかし現代は、プログラミングの技能と少しの機材さえあれば、アイディアを形にできます。
プログラミング技術は「あったらいいな」を形にできる能力と言えるでしょう。
プログラミングを子どもに習わせるデメリットは?
学習するメリットが多いように感じるプログラミングですが、実はデメリットもあります。
ひとつめは、スキル習得まで時間がかかることです。
大人でも基本的な入門レベルを理解できるようになるまでに、200〜250時間くらいかかると言われています。
他の習い事もそうですが、短いスパンで目に見える結果を求めるのではなく、ゆっくりと上達を見守ってあげるようにしましょう。
またパソコンで作業をするため、目に負担がかかるというデメリットもあります。
プログラミングを勉強する時はゲームや動画視聴の時間を短くするなどして、負担を軽減しましょう。
最後に、お金がかかることです。
習い事である以上、どうしても年会費や月謝はかかってしまいます。また、パソコンなどの学ぶための機材や教材費もかかります。
ある程度の出費は覚悟しながら、プログラミング教室を選ぶようにしましょう。
まとめ
プログラミングを学ぶ際のデメリットはありますが、将来を見据えてもデメリットに変え難いメリットがたくさんあります。
新しく始める習い事としてプログラミングはとてもおすすめです。
本記事を参考にして子どもに合ったプログラミング教室を見つけ、お子さんが楽しくプログラミングを学べることを願っています。