生活に欠かすことのできない自動車ですが、万一のトラブルへの対策はできていますか?
意外と車のセキュリティ対策は、見落としがちなポイントですよね。
自動車保険会社の協力のもと実施された「2021年自動車盗難事故実態調査」では、2019年と比べて車上荒らしの保険金支払い件数自体は減少しています。
しかし、減少傾向にあるからといっても、犯罪自体が完全に無くなったわけではありません。
そこで今回は、大切なお車を犯罪から守るために、日頃からできる対策について考えてみましょう!
車上荒らしの最新被害状況
まずは「2021年自動車盗難事故実態調査」のデータを基に、車上荒らしに関する最新の被害状況をまとめました。
各都道府県における車上荒らしの発生件数や、発生時間、発生場所などから、特にどのような方に対策が必要なのか見えてきます。
しかし「2021年自動車盗難事故実態調査」の結果は、車上荒らしの被害に逢った方への保険金の支払い回数によるランキングです。
この数字が、実際に車上荒らしが発生した件数ではないため、あくまで参考値としてチェックしてみてくださいね。
車上荒らしの被害が多い都道府県ランキング
都道府県名 | 2021年支払い回数 |
---|---|
1位:大阪府 | 194回 |
2位:愛知県 | 99回 |
3位:千葉県 | 98回 |
4位:神奈川県 | 68回 |
5位:埼玉県 | 64回 |
6位:茨城県 | 63回 |
7位:兵庫県 | 48回 |
8位:北海道 | 31回 |
9位:栃木県 | 25回 |
10位:岐阜県/京都府/東京都 | 24回 |
その他 | 169回 |
(参照サイト:2021年自動車盗難事故実態調査)
まず、車上荒らしの被害が多い都道府県に関する調査結果について。
関西圏や首都圏など都市部を中心に被害が多いことが分かります。
「2021年自動車盗難事故実態調査」では2019年から2021年の3年分の調査結果を掲載していますが、1位の大阪府と2位の愛知県は3年連続同順位という結果でした。
その他の都道府県についても、順位は異なりますがランキングに入ってくる都道府県自体には、あまり大きな変化がみられません。
もちろんその他の地域でも発生する車上荒らしですが、ランキングに入っている都道府県にお住まいの方は、対策を講じて損はないでしょう。
また、2021年第1位の大阪府の車上荒らし被害における保険金支払い回数は194回と、ランキング外のその他都道府県における169回を上回っています。
大阪府にお住まいの方は、車上荒らしに狙われないよう特に注意し、何かしらの対策を行っておかれることをおすすめします。
車上荒らしに狙われやすい時間帯
時間帯 | 支払い件数 |
---|---|
日中(9〜17時) | 295件 |
夜間(17〜22時) | 117件 |
深夜(22〜9時) | 486件 |
直近3年間の推移がこちらです。
車上荒らしに狙われやすい時間に関する調査結果では、犯行の半数以上が深夜に行われていることが分かります。
多くの人が寝静まった深夜の時間帯は、人の目もなく犯行を誰かに目撃されるリスクが低いため、犯行が行いやすいということが理由として考えられます。
車上荒らしに狙われやすい場所
発生場所 | 支払い件数 |
---|---|
1位:自宅(屋外) | 45件 |
2位:契約駐車場(屋外) | 29件 |
3位:通勤先駐車場 | 10件 |
4位:コンビニ・スーパー駐車場 | 6件 |
5位:自宅(屋内) | 5件 |
6位:路上 | 3件 |
7位:空き地 | 2件 |
8位:契約駐車場(屋内) | 1件 |
その他 | 20件 |
2017年〜2020年の推移がこちらです。
車上荒らしの発生場所について最も多いのが、自宅(屋外)という結果となりました。
契約駐車場(屋外)や通勤先駐車場などの自宅外の場所ではなく、自宅(屋外)というのは驚きですよね。
自宅敷地内での犯行であれば物音で気づきそうなものですが、深夜深い眠りについている時間に犯行が行われれば、気付かぬまま朝を迎えてしまうことも考えられます。
駐車場周辺のスペースに防犯カメラを設置したり、カーナビの盗難対策を実施するなど、自宅でもできる対策を行う必要があります。
車上荒らしに遭いやすい車種と車の特徴
次に、車上荒らしに遭いやすい車種や車の特徴について調査してみました。
先ほどの車上荒らし最新の被害状況と同様、調査に使用したのは「2021年自動車盗難事故実態調査」です。
あくまで車上荒らしの被害に逢った方への保険金の支払い回数に基づいたランキングで、全発生件数ではありませんのでご注意ください。
車上荒らしに遭いやすい車種
車種 | 2021年支払い回数 |
---|---|
1位:プリウス | 66回 |
2位:ハイエース | 37回 |
3位:アルファード | 31回 |
4位:アクア/クラウン | 27回 |
6位:N BOX | 24回 |
7位:メルセデスベンツ | 23回 |
8位:ハリアー | 21回 |
9位:タント | 19回 |
10位:フィット/BMW | 18回 |
その他 | 620回 |
(参照サイト:2021年自動車盗難事故実態調査)
車上荒らしに遭いやすい車種として、圧倒的1位を誇るのがトヨタ プリウスです。
プリウスが車上荒らしに遭いやすい理由として、バッテリーが高額であることや、部品の転売需要が高いことなどが考えられます。
また第2位のハイエースは、国内のみならず海外での人気が高い車。
盗んだ部品は海外に売り飛ばされるケースもあります。
車上荒らしを行う犯人は、盗んだ部品を転売にかけ利益を得ています。
国内外で人気の高い車種や、バッテリーなど部品そのものが高い車種、そしてドアミラーやホイールといった外装部品が高値で取引される車種は狙われる可能性が高いといえます。
車上荒らしに遭いやすい車の特徴
車上荒らしに遭いやすい車種以外の車でも、自身で犯人に狙われやすい車にしてしまっている可能性があります。
車上荒らしに遭いやすい車の特徴は、以下の4点です。
あなたの車は該当するかどうか、チェックしてみましょう!
【車上荒らしに遭いやすい車の特徴】
- 高値で取引されるパーツを搭載した車種である
- ロックをかけていない
- 車内に貴重品を積んでいる
- 人の目が届きにくい場所に駐車している
先ほどお話しした通り、車上荒らしに遭いやすい車種というものがあります。
転売により、より多くの利益が出せる車です。
他にも車内に高値で取引できそうなスマホや衣類、バッグなどを積んでいる場合も、狙われやすくなります。
また、犯行を誰かに目撃されることなく短時間で終わらせたい犯人からすれば、無施錠の車も非常に狙い目です。
短時間でも車上荒らしの被害に遭う可能性は十分にあるため、注意が必要です。
心当たりのある方は、続きをご覧になって、対策をするようにしましょう!
車上荒らしの被害に遭わないための対策
それでは車上荒らしの被害に遭わないため、私たちにはどんな対策ができるのでしょうか。
今日からすぐに取り組める対策もご紹介しますので、できそうなものから取り入れていきましょう。
【車上荒らしの被害に遭わない為の対策一覧】
- リレーアタック防止グッズを使用する
- 防犯カメラを取り付ける
- ロックを必ずかける
- 貴重品は車内に残さない
- カーナビの盗難対策を行う
リレーアタック防止グッズを使用する
一般的に車上荒らしと聞くと、窓ガラスをハンマーなどで破壊してから犯行に及ぶイメージがありますよね。
しかし、鍵を持っている人が近づくことでセンサーが反応してロック解除が行われるスマートキーの普及により、車上荒らしの犯行の手口にも変化が見られはじめました。
スマートキーと車両本体には、お互いの電波を受信するための機器が取り付けられています。
一台一台異なる暗号化された電波を送ることで、自身の車のロックが解除される仕組みとなっています。
キーと車本体が半径1m以内に近づくとロック解除を行うため、スマートキーからは常時微弱な電波が出ているのですが、この微弱な電波を増幅させる特別な機械を使って、あっという間に施錠を解除してしまうのです。
室内に車の鍵を置いていても、外から簡単にロックを解除されてしまうリレーアタックは、非常に恐ろしい犯行手口です。
しかし、電波遮断ポーチやスマートキーケースといったアイテムが販売されており、カー用品店やネット通販などで簡単に購入することができます。
また、ご自宅であればお菓子の空き缶など蓋のできる缶にスマートキーを収納するのも、このリレーアタックの有効な手段となります。
スマートキーを入れるくらいの缶であれば、100均でも購入することが可能ですので、お気に入りのデザインを探してみてはいかがでしょうか。
防犯カメラを取り付ける
車上荒らしの犯行現場として、自宅(屋外)が選ばれやすいことや、犯行時間が深夜に集中していることから防犯カメラでの監視も有効な対策となります。
防犯カメラの存在で犯人を威嚇することで、犯罪抑止効果が期待できます。
もし実際に車上荒らしに遭っても、犯人の手がかりとなる情報が映っていれば、犯人逮捕の確率も一段と高くなります。
また、個人で防犯カメラを購入し取り付ける方法以外にも、ホームセキュリティーを利用するという手もあります。
怪しい人物の動きがあれば、24時間駆けつけサービスのあるホームセキュリティーを導入し、防犯カメラを車庫の位置に取り付けてもらうのです。
どこまで重点的に対策を行いたいかによって、様々なサービスを比較検討してみてくださいね。
ロックを必ずかける
車上荒らしの被害に遭われた方に共通する点として、意外と多いのが無施錠です。
山梨県警や埼玉県警のデータによれば、車上荒らしに遭った方の約6割が無施錠だったそう…。
”ちょっとそこまでだから良いか!”
その気持ちの緩みが、犯罪を招きます。
基本的なことのように思えますが、コンビニに飲み物を買いに行くだけでも、自宅前に短時間駐車しておくだけでも、ロックは必ずかけましょう。
貴重品は車内に残さない
先ほど、車上荒らしの犯人は転売目的で犯行を行うとお話ししました。
バッテリーやホイール、ドアミラーなどお金に変えられそうなパーツを盗んでいくのです。
さらに、車内にあるETC車載器やカーナビといった付属品はもちろん、置きっぱなしにしているスマホや衣類、バッグなども狙われます。
車本体だけでなく、中に残しておいたものも盗まれる可能性があることを念頭に、車内に貴重品は残さないよう心がけましょう。
カーナビの盗難対策を行う
カーナビも、よく車上荒らしが盗んでいくアイテムの一つです。
特に取り外し可能なカーナビは持ち運びがしやすく盗みやすいため、使用後は自宅へ持ち帰られることをおすすめします。
もし車内に残す場合には、外からカーナビの機種が特定されないようカバーをかけましょう。
カーナビを購入する際、暗証番号を入力しなけられば起動しないセキュリティコード機能の搭載機種を選ぶこともお忘れなく。
固定式のカーナビには、盗難防止ネジの取り付けが有効です。
自動車販売店、量販店などにて購入できますので、車上荒らし対策として取り付けておくと安心です。
まとめ
以上、車上荒らしに関する対策についてご紹介しました。
ロックをかけたり、貴重品を残さないといった基本的な対策は今すぐにでもできますね。
窓ガラスを割って鍵を開ける車上荒らしの犯行だけでなく、スマートキーの便利さを逆手にとった犯行も行われています。
リレーアタック防止グッズを用いれば、こちらも簡単に対策が可能ですので、ぜひ取り入れてみてください。
あなたの大切なお車が、車上荒らしの被害に遭うことなく、大切に乗り続けられることを願っています。
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