大切な資産を狙った詐欺事件をよくニュースで目にしますよね。
詐欺の手法も進化を続けており、簡単に詐欺だと見破るのが難しくなってきています。
もちろん落ち着いて考えればおかしい点はいくつもあるのですが、パニック状態では言われるがままに行動してしまうことも…。
そこで今回は、自身だけでなく親や身近な高齢者をオレオレ詐欺の被害から守るための防犯対策についてご紹介します。
オレオレ詐欺の最新手口
オレオレ詐欺の被害についてニュースで報じられることはありますが、そもそもどういった手口なのでしょうか。
オレオレ詐欺という言葉が使われるようになったのは、2003年頃と言われています。
被害が明らかとなると警察も動きますので、犯行グループも次々に新しい手を使ってきます。
20年ほど経った今、一体どのような手口が使われているのかまとめてみました!
オレオレ詐欺スタートの嘘
【こんなことを言われたら注意!】
- 風邪で喉を痛めているので声が違う
- 携帯を盗まれた
- 携帯電話の番号が変わった
まず犯人グループは、知らない番号からの着信で不審がる相手の警戒心を解こうとしてきます。
その言い訳としてよく使われるのが、このようなセリフです。
声が違うことに不信感を抱かれないよう「風邪をひいて喉の調子が悪いんだ」と言ってみたり、電話番号が違うことを不審がられないよう「携帯を紛失したために電話番号が変わった」と告げるのです。
オレオレ詐欺で実際に使われたお金が必要な理由
【こんなことを言われたら注意!】
- 会社で失敗をした
- 会社のお金を使い込んでしまった
- 会社のお金が入ったカバンを落としてしまった
- 株で損をした
- 今日中に金を振り込まないとクビになる
- 事件/事故を起こしてしまい慰謝料が必要
- 不倫相手に子供ができて慰謝料が必要だ
- 借金の保証人になってお金が必要
オレオレ詐欺では、周囲に相談しづらい理由をつけてお金を請求してきます。
例えば、会社や仕事での失敗、男女のトラブルが挙げられます。
切羽詰まった状況で、他に相談できる人がいないと言われれば、すぐに振り込まなきゃという気持ちになりますよね。
子供や孫の失敗を周囲に打ち明けるのも気が引けて、誰かに一度相談しようという考えすら浮かばないでしょう。
さらにオレオレ詐欺では、こういった理由をつけてすぐにお金を振り込むよう指示してくるのです。
そして何かがおかしいと立ち止まる暇も与えてもらえないまま、被害に遭ってしまうというわけです。
他人に相談しづらい出来事を理由に、すぐお金が必要だと言われればオレオレ詐欺が疑われます。
オレオレ詐欺でお金を騙し取る方法
【オレオレ詐欺でお金を騙し取る方法】
- 銀行振込型:金融機関から指定口座への振り込みを行わせる
- 現金送付型:レターパックや宅配便などを使って指定した場所へ現金を送付させる
- キャッシュカード騙し取り型:金融機関や警察を名乗る人物が自宅へキャッシュカードの受け取りにやってくる
- 呼び出し型:現金の受け渡し場所を指定する
- 上京型:現金の受け渡し場所を大都市の駅に指定する
オレオレ詐欺でお金を騙し取る方法といえば現金振り込みを想像しますよね。
しかし残念ながら20年の時を経て、現金のやりとりも進化しています。
銀行でお金を引き出す際に防犯カメラに映るリスクもあり、送金履歴も残ってしまいます。
そこで、レターバックや宅配便を使って現金を送付させるケース(現金送付型)があります。
そもそも、お金のやり取りには現金書留を使用する必要があり、レターパックで現金を送る行為は郵便法違法ですので、レターパックや宅配便での送金を求められた場合には詐欺を疑いましょう。
また、銀行員や警察を名乗る人物が、口座の悪用被害を理由にキャッシュカードの受け取りにやってくる(キャッシュカード騙し取り型)場合も。
犯行の足がつかないよう、現金の受け渡し方法も巧妙化していると言って間違いないでしょう。
さらに指定した場所に呼び出して現金の受け渡しを行う(呼び出し型/上京型)こともあります。
なんと、東京や大阪など大都市圏まで新幹線に乗せてターゲットを呼びつけるのです。
高齢者からすれば「新幹線に乗ってわざわざやってきたのだから、絶対に渡さなければ」「お金を渡して早く帰りたい」というような心理が働きます。
こうして冷静な判断をさせないよう追い込んで、お金を騙し取っていくのです。
オレオレ詐欺に遭わないための防犯対策5選
それでは巧妙化するオレオレ詐欺の被害に遭わないために、どういった対策を講じれば良いのでしょうか。
ポイントとなるのは、日頃からの家族間のコミュニケーションと機器の活用です。
【オレオレ詐欺に遭わないための防犯対策】
- 家族間で合言葉を決めておく
- 折り返しの電話をして確認する
- 常に留守番電話設定にする
- 迷惑電話防止機器を使う
- 個人情報は絶対に話さない
家族間で合言葉を決めておく
まず、相手が本当の家族かどうかを確認するために、合言葉を決めておきましょう。
家族であれば当然答えられるでしょうし、合言葉が言えない限りお金を振り込まないと言えば、犯人が諦める可能性も高まります。
また、携帯番号が変わったと言われた場合に備えて、元の携帯番号を答えさせるという手も使えます。
確認が取れるよう元の携帯番号をメモしておくと良いでしょう。
折り返しの電話をして確認する
オレオレ詐欺の手口として、携帯番号が変わったとの言い訳をするとお話ししました。
オレオレ詐欺の犯人は一刻も早く振り込むよう要求してきますが、落ち着いた対応が重要です。
もし「携帯電話を無くした」「携帯電話の番号が変わった」などと言われたら、一旦電話を切って電話帳に登録してある本来の番号にかけるように家族間で決めておきましょう。
固定電話があれば、こちらに連絡して安否確認を行うのも一つの手です。
以前から聞いている電話番号に電話をかけて本人と連絡が取れない場合にも、慌てずに警察に相談できるとなお安心ですね。
常に留守番電話設定にする
詐欺に巻き込まれるリスクを軽減するため、在宅中でも留守番電話設定にしておくのも有効な方法です。
知らない番号からの電話には出ないのが基本です。
もし本当に携帯電話やスマートフォンの電話番号が変わるようなことがあれば、事前に連絡を入れておきましょう。
また、各世帯に配布される電話帳に登録された番号の削除依頼を行うのも、犯人と繋がるリスク軽減効果が期待できますね。
迷惑電話防止機器を使う
電話を使用することが多く、常に留守番電話に設定することに不便さを感じる方は、迷惑電話防止機器を搭載した電話機の使用をおすすめします。
迷惑電話防止機能付き電話機は、電話に出る前に音声録音を行うとアナウンスを流し相手に警告します。
これによりオレオレ詐欺の犯人に犯行を諦めさせる効果が期待できます。
間違えて電話に出てしまった際にも、通話内容を録音していればもしもの場合には証拠として提出することも可能です。
また、ディスプレイには電話番号が表示されます。
登録している相手ならば名前で表示されるため、知らない番号からの電話に出ないという選択ができるのです。
価格:17,172円
※2022年8月現在
シャープの振り込め詐欺対策機能搭載電話機は、自動で相手に警告メッセージを流す「自動着信前警告」機能がついています。
もし相手がそれでも電話を切らない際には、自動で名前を確認するメッセージを流し、相手を確認してから電話に出ることができる「自動聞いてから応答」機能も備えています。
二重の防犯対策機能を搭載しているだけでなく、ディスプレイには発信者の名前を表示するようになっています。
このようなオレオレ詐欺被害に遭わないための対策機能がついているので、詐欺の電話だけでなくしつこいセールスなど迷惑電話を撃退することができます。
トラブルから身を守るのに適した電話機だといえますね。
個人情報は絶対に話さない
すぐに対応する必要があると言われても、クレジットカードやキャッシュカードの暗証番号を他人に教えるのはやめましょう。
また近年、各種給付制度の手続きやその他の調査などを装った給付金詐欺なども発生しています。
給付制度の手続きを装って個人情報や生活状況を聞き出そうとするケースもあるため、役所を名乗る連絡があった場合にも警戒心を持って対応する必要があります。
このような場合にもオレオレ詐欺の時と同様に、一旦電話を切って役所や家族に確認をとるよう日頃から家族間で話をしておけると良いですね。
まとめ
以上、オレオレ詐欺の被害に遭わないための対策をご紹介しました。
自分には関係ないという思い込みは非常に危険です。
いつ、誰があなたたちの生活を壊しに来るか分からないという警戒心を持っておけば、今すぐにでも取り入れられる対策はあります。
大切な資産と高齢者自身を守るため、日頃から家族間で詐欺について話し合っておきましょう。
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