架空料金請求詐欺という、身に覚えのない請求や、不当請求などが届く事案が最近ではとても増えています。
届いたメールなどの請求に身に覚えがなかったとしても、早く支払うように言われてしまえば、どうしても焦ってしまいますよね。
本記事では架空料金請求詐欺について詳しく解説し、対策もご紹介します。
架空料金請求や不当請求の被害に遭わないための対策にぜひ参考にしてくださいね!
架空料金請求詐欺の最新データ
はじめに架空料金請求詐欺に関する、警視庁の最新データをご紹介します。
詐欺の内容や連絡手段などを覚えておくことで、被害を未然に防ぐ可能性が高まりますので、しっかりお読み下さい。
身に覚えのない不当請求!架空料金請求詐欺とは?
架空料金請求詐欺とは、未払いの料金があるなど架空の事実を口実にし、金銭などを騙し取る手口で、被害者は20代~30代が多いです。
携帯電話のショートメッセージや電子メールなどで、なんらかの未納料金が発生しているとし、支払いを求めてきます。
法務省や裁判所などの公的機関の名前を使って、自宅にハガキなどが送られてくることもあるので、慌てて支払ってしまう方が多くいらっしゃいます。
届いたメールやハガキに記載されている電話番号に電話をかけると、「〇日までに払わなければ裁判になる」「今日支払うことで、一部返金される」などと言われ、払った方が良いと信じてしまうのです。
銀行口座に振り込ませる場合だけでなく、コンビニなどで電子マネーなどを購入させ、そのカードの番号を聞き出そうとしてくる場合もありますので、電子マネーでの支払いは特に怪しいと考えておいてください。
他にも、証券会社などに成りすまして、金銭を奪い取ろうとするケースも出てきています。
名義貸しを要求してくるのでそれを許してしまうと、後日警察を名乗る人物から連絡があり、解決金として高額な請求をしてきます。
逮捕され家族に迷惑がかかってしまうかもしれないと怯え、そのまま支払ってしまうそうです。
いろいろな方法で金銭を要求してきますので、電話での請求は詐欺だと思っておいた方がいいでしょう。
架空料金請求詐欺の連絡手段
警視庁の最新データを見てみると、架空料金請求詐欺の連絡手段は電子メールが約46%・電話が約33%となっています。
オレオレ詐欺の場合は約99%・還付金詐欺の場合は100%が電話です。
ですので架空料金請求詐欺の場合は、電話だけでなく電子メールも注意しなければいけません。
特に電子メールでの被害が多くなっていますので、怪しいメールや変なURLが貼られている場合には開かない、電話番号が記載されていてもかけなおさないようにしましょう。
架空料金請求詐欺の年間被害件数と被害額
警視庁の最新データをもとに、架空料金請求詐欺の被害件数と被害額を見ていきましょう。
架空料金請求詐欺は、特殊詐欺の手口の中でも2021年の認知件数は2,117件となっており、2020年に比べて107件ほど増加しています。
認知件数は増加していますが、被害額は2020年に比べて11.7億円減少となっているのです。
被害額が減っている理由としては、テレビやネットなどでも注意喚起されていることが挙げられます。
しかし、スマートフォンが普及している今、架空料金請求詐欺は一番注意しなければならない詐欺と言えます。
架空料金請求詐欺の被害者における高齢者の割合
警視庁の最新データによると、特殊詐欺被害全体の内88.2%が65歳以上の高齢者です。
それに対し架空料金請求詐欺の被害に遭った高齢者は47.9%と、特殊詐欺の中では高齢者の割合は低めです。
被害者における高齢者の割合が少ないということは、年齢を問わず20代や30代の方でも被害に遭う可能性が高くなっているということ。
インターネット上や、SNSなどからの架空料金請求詐欺が増えているので、年齢問わず注意が必要です。
巧妙で怖い!架空料金請求詐欺の最新手口
ここからは、架空料金請求詐欺の手口について詳しくご紹介します。
架空料金請求詐欺|電子メールによる手口
架空料金請求詐欺の連絡は、電子メールが主になっています。
【架空料金請求詐欺|電子メールによる手口】
- 有料情報サイトの未納料金が発生している
- 法的手続きに移行する
- サポーターの番号に電話をするように指示
- 電子マネーでの支払いを命じる
- 誤りであれば、支払い後返金する
請求について気になる点があればサポートサービスに電話をするように記載されているものや、URLから確認ができると記載されているものがありますが、見覚えのない請求であればどちらも詐欺である可能性が高いです。
すぐに電子マネーなどで支払うように命じてきたり、今日中に支払わなければ裁判を起こすなどと不安を煽るような言葉で信じさせようとしてくるのです。
また、連絡をすることによって、電話番号やメールアドレスなどの個人情報が相手に流出してしまい、他の詐欺集団からの架空料金請求詐欺の連絡が届き続けることもあります。
上記のように「法的手続きに移行する」「電子マネーでの支払い」などの要求があれば、怪しいと考えていいでしょう。
架空料金請求詐欺|電話による手口
架空料金請求詐欺には、電子メールだけでなく電話での請求も増えてきています。
【架空料金請求詐欺|電話による手口】
- 新規老人ホームへの入居が確定した
- 選ばれたあなただけ、○○の株が購入できる
- 名義(権利)を譲渡したことによる脅し
- 犯罪の解決金として、○○万円用意すれば逮捕されないように処理する
電話での架空料金請求詐欺の場合は、あたかもあなただけの特別な株や権利があるなどと選ばれた人であるかのように連絡をしてきます。
断ったとしても、名義だけ貸してほしいと要求してきます。
名前だけなら…と了承すると、後日「名義貸しは犯罪だ」と警察などを名乗る人物から電話がかかってきます。
「弁護士」「逮捕」「犯罪」「警察」などの言葉で恐怖心を煽り、「お金さえ払えば逮捕されない」など、金銭で解決ができることをアピールしてきます。
また、現金の送付方法が宅急便やメール便で指定されることが多いので、現金をそのまま送るように言われた場合は、詐欺を疑いましょう。
架空料金請求詐欺|ハガキによる手口
電話やメールだけでなく、ハガキによる架空料金請求詐欺も確認されています。
【架空料金請求詐欺|電子メールによる手口】
- アダルトサイトなどの未納料金がある
- 支払いができない場合は裁判を起こす
- 一度支払い、誤りであれば返金される
ハガキでの架空料金請求詐欺の場合も、電子メールと同じです。
アダルトサイトなどの有料サイト利用での料金が未納だと記載されており、その支払いをしなければ裁判を起こすなどと、被害者を不安にさせる文章で信じ込ませようとします。
間違いだからとハガキに記載されている電話番号に電話をしてしまえば、心当たりがないと伝えても、早く支払わなければ裁判になると考える暇を与えないように煽ってきます。
また、支払っても間違いであれば後日返金されるなどと、とりあえず支払ってしまえば大きな問題にならないかもしれないと安心させる内容も付け加えてくるのです。
パソコンを使った不当請求!サポート詐欺とは?
近年、被害が増加しているのが、パソコンを使った「サポート詐欺」です。
サポート詐欺とは、ハッキング被害やマルウェアの感染などの言葉で不安を煽り、嘘のサポートセンターへ電話をさせて金銭を要求する詐欺です。
ウェブサイト閲覧中に嘘の警告メッセージを表示し、その表示にサポートセンターなどに連絡を促す表示も出てきます。
表示されているサポートセンターに連絡をすれば、恐怖心を煽る言葉で状況を説明し、有料のサービスへと促して金銭を要求してくるのです。
実際には、ハッキング被害やマルウェアの感染時、サイト上に警告が表示が出てくることはありませんので、出てきた時点で詐欺です。
【サポート詐欺の流れ】
- サイト上に警告画面を表示させる
- 警告メッセージの表示
- サポートセンターへの連絡を促す
- リモートデスクトップソフトのダウンロードをさせる
- 料金がかかるサービスの契約を促す
まず、警告メッセージが表示された場合には、開いているサイトを閉じるようにしてください。
消してしまえば、その後は問題なくパソコンやスマートフォンの利用が可能です。
架空料金請求詐欺に遭わない為の防犯対策!
ここからは被害に遭わないために自分でできる防犯対策について、具体的にご紹介します。
【架空料金請求詐欺に遭わない為の防犯対策!】
- 身に覚えのない請求は消費者センターや警察に相談
- 個人情報を伝えない
- 電子マネーの情報を話さない
- プリペイドカードの情報も話さない
- 迷惑電話防止装置付きの電話機を使用する
- 同じような被害が出ていないか検索
身に覚えのない請求は消費者センターや警察に相談
電話やメールなどで身に覚えのない請求が届いた場合には、まず詐欺を疑ってください。
その場で記載されているサポートセンターなどに連絡をしてしまえば、電話番号などの個人情報も漏れてしまいますし、言葉巧みにお金を請求してきます。
一度冷静になって相談をすれば、詐欺だということに気づくこともできますよね。
警察や消費者センターでは、今までの詐欺案件と比較して、届いた連絡が詐欺なのかどうなのか確認をしてくれます。
相談することで防ぐことができる架空料金請求詐欺がありますので、すぐに支払わないようにしてください。
個人情報を伝えない
身に覚えのない料金の請求があった場合には、絶対に個人情報を伝えないようにしてください。
個人情報とは、電話番号や生年月日、資産額や通帳の暗証番号などです。
詐欺グループはランダムに電話をかけているだけなので、被害者の個人情報はこの時点では持っていません。
自分から話してしまえば、相手に有利な状況を与えてしまうことになりますので、その前に家族に相談するなどと言い電話を切りましょう。
電子マネーの情報を話さない
電子マネーには、IDなどの番号が記載されています。
そのIDを電話口などで伝えてしまえば、こちらがカードを持っていても、カードの残りの金額を相手が自由に使用することができるのです。
店頭で販売されているギフトカードなどを購入して、料金を払って欲しいと言われた場合、焦って購入してしまったとしても絶対にIDは教えないようにしてください。
教えなければ、相手が電子マネーに入っている金額を使用することができませんので、詐欺の被害に遭うことはありません。
プリペイドカードの情報も話さない
プリペイドカードも電子マネーと同じで、カード情報を相手に伝えてしまえば、中に入っている金額を使用されてしまいます。
一般的な請求の場合は、プリペイドカードなどでの支払いを求めてきません。
プリペイドカードで支払って欲しいと言われた場合は、詐欺の可能性がとても高いのです。
カードの情報を相手に伝えなければ、相手は何もできませんので、詐欺から身を守ることができます。
迷惑電話防止装置付きの電話機を使用する
固定電話には、スマートフォンのように着信拒否機能がついていません。
迷惑電話防止機能付きの電話機を使用することで、電話に出る前にアナウンスが流れ、相手に警告をすることができます。
電話番号の登録もできますので、登録のない番号からの電話は、セールスの電話や詐欺の可能性が高く、電話に出ないという選択ができます。
また、詐欺グループが嫌がる通話内容の録音ができますので、そのアナウンスが流れるだけで防犯対策ができますね。
価格:17,172円
※2022年8月現在
上記の固定電話は「警視庁 犯罪抑止対策本部」のアドバイスを受けて制作されたもので、振り込め詐欺対策機能が初めから搭載されています。
電話に出る前に、相手に警告メッセージを流し、相手の名前を確認してから電話に出ることができるなどの二重の対策が可能なのです。
液晶も大きくて見やすくなっていますので、登録した番号であれば、誰からの着信なのか確認することができます。
いざというとき、登録先にワンタッチで知らせることができる緊急通知機能ボタンにも対応していますので、離れて住んでいるご家族のSOSを受け取ることが可能です。
同じような被害が出ていないか検索
電話や電子メールなどで請求の連絡が来た場合、同じような被害が出ていないか、ネット上で検索をしてみることによって防ぐこともできます。
現在ではいろいろな防犯サイトや、警察のホームページなどで、特殊詐欺の対策が紹介されています。
その中には詐欺の事例なども記載されておりますので、同じような内容があれば、自身に届いた電話やメールも詐欺である可能性が高くなります。
警察や消費者センターに相談しにくいと感じた方は、先に検索をしてみると安心できます。
また、検索が難しいご高齢の方は、ご家族の方が代わりに検索してあげることが大切です。
日ごろから、「少しでも不安なことや不思議に感じたことがあれば連絡を取る」という関係性を築いておき、何かあった際にはすぐに連絡がとれるようにしておきましょう。
まとめ
本記事では、架空料金請求詐欺の手口や対策について詳しくご紹介しました。
架空料金請求詐欺は他の特殊詐欺とは違い、高齢者だけでなく20代~30代の方も被害に遭っています。
身に覚えのない請求、見たことがない聞いたことがない会社名の場合は特に注意し、相手に連絡を取る前に家族や警察に相談してください。
特に「法的手続きに移行する」「電子マネーでの支払い」は詐欺の可能性が高いので注意が必要です。
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