郵便物だけでなく、服や日用品や食べ物などなんでもネットで注文・購入できるようになり、宅配の需要は年々上昇しています。
不在でも荷物が受け取れる「宅配ボックス」はかなり便利ですが、実は使い方を間違えると宅配物を盗まれるリスクがあります。
そこで本記事ではどんなマンションの宅配ボックスが狙われやすいのか、そしてどのような防犯対策を行ったら宅配便を盗まれるリスクを減らせるのかについてご紹介します。
宅配ボックス盗難が起きやすいマンション
この章では警察が宅配業者に向けて、このような宅配ボックスは狙われやすいです!と注意喚起したものも含めて、このようなマンションにお住まいの方はお気を付けくださいという例をご紹介します。
【こんなマンションは注意】
- 単身者向けのワンルームマンション
- 50戸以下のマンション
- 築浅のマンション
- 宅配ボックスがダイヤル式(機械式)
- 監視カメラが設置されていないマンション
単身者向けのワンルームマンション
単身者向けの住人は基本的には1人ですし、さらにサラリーマンや学生など決まった時間に外出していることが多いです。
その結果平日の昼間は人の出入りが少ない為、人目を気にせず盗みを働くことができます。
また単身世帯は日中の荷物を受け取れない人が多く、宅配ボックスの利用者が多いというのもターゲットにされやすい理由です。
50戸以下のマンション
単身者向けのマンションと少し共通するのですが、住人が少ないと、それだけ人目に触れず窃盗が可能になります。
窃盗犯は捕まるリスクを嫌うので、事前にしっかりと調査をして住人の出入りが少ない物件を狙います。
築浅のマンション
マンションが出来て10年以下の比較的築浅の物件の場合、住人同士の関係性が出来上がっていないことが多いです。
住人同士に面識があり名前や顔がお互いに一致している場合、外部の人が侵入していることに気付きやすく、その分犯行が難しくなります。
宅配ボックスの窃盗犯と類似している空き巣犯は『近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街を嫌う』というデータが警視庁より発表されています。
ですので近所付き合いがあまりなさそうなマンションは狙われやすいんです。
宅配ボックスがダイヤル式(機械式)
宅配ボックスは大きく分けると2つに分かれます。
1つが3桁以上の数字を合わせて解錠する『ダイヤル式(機械式)』、もう1つが電源やインターネットを使用する『電気式』です。
管理センターのサポートを受けやすく、防犯性も高い電気式の宅配ボックスに比べて、ダイヤル式はどうしても作りが単純なので開けやすいです。
例えば筆者の住んでいるマンションは4桁の暗証番号を宅配業者が設定して、その暗証番号を入力すれば宅配ボックスに届いた荷物を受け取れる仕組みです。
Amazonから届く荷物の暗証番号は部屋番号と同じにされることが多いです。(101号室の場合0101など)
これは偶然筆者の住んでいる地域の宅配スタッフさんがしているだけかもしれませんが、このパターンを犯人が知っている場合、部屋番号を入力していけばどこかで当たることになります。
電気式なら大丈夫!ではないのですが、ただ暗証番号を入れるだけの宅配ボックスは残念ながら狙われやすいです。
監視カメラが設置されていないマンション
窃盗犯は捕まることをリスクとしているので、空き巣と同様にセキュリティが固いマンションを避けます。
マンションの管理人が常駐しているマンションや、24時間体制で監視カメラやセンサーが作動しているマンションは、リスクが高いと判断し、他の物件を狙いを定めます。
その時ターゲットになりやすいのが、セキュリティの低いマンションで、特に監視カメラがないマンションは狙われやすいので注意が必要です。
マンションの宅配ボックスの盗難手口
ここではマンションの宅配ボックスからどのように宅配物を盗むのか、その手口についてご紹介します。
郵便受けの外から不在票を盗む
宅配ボックスを狙う窃盗犯はほぼこの手口を使っています。
宅配ボックスに品が届いた場合、ポストに「解錠番号」や「暗証番号」が記載された用紙(不在票)が投函されます。
その用紙をポストの外から取って、そこに載っている番号を入力すれば簡単に宅配ボックスは開けられてしまいます。
※電気式の場合、受け取りにカードキーや二重の暗証番号が必要なものが多いので、そのような宅配ボックスは除きます。
不在票の取り方は実にシンプルで、粘着テープをつけた紙や薄い板をポストに入れ込み、くっつけて引き抜くだけです。
玄関や窓をこじ開けるような道具も不要で、あっという間に・いとも簡単に簡単に宅配物を盗まれてしまいます。
マンションの中に入り込み不在票を盗む
これは空き巣と同じ手口なんですが、マンションの住人が帰宅した際に一緒にマンション内に入り込む手法です。
ポストにも暗証番号はあるはずですが、めんどくさがってずっと解錠したままにしている方はいませんか?
ポストに鍵がかかっていない場合、外から粘着テープを使うよりも簡単に不在票から暗証番号を知ることができます。
またポストの外は監視カメラが設置されていることが多いですが、内部はプライバシーの問題から監視カメラがないことが多いです。
もしもポストを開けっ放しにしている場合は、すぐに鍵を閉める癖をつけましょう。
宅配ボックスから宅配物を盗まれないための防犯対策
ここまで窃盗犯に狙われやすい宅配ボックスやマンションの特徴をまとめましたが、集合住宅や賃貸物件で住人にできることは多くありません。
一戸建てに住んでいる人なら「監視カメラを設置しよう」とか「宅配ボックスをセキュリティの高いものに変えよう」と、自分の判断で決めることができます。
しかしマンションの場合はそうはいかないので、この章では自力でできる防犯対策についてご紹介します。
【宅配ボックスから盗まれない為の防犯対策】
- 高額のものは直接受け取る
- ポストはしっかり施錠する
- 時間指定をして長時間放置しない
- 自宅外で受け取るサービスを活用
高額のものは直接受け取る
早速「宅配ボックスを使わない」という内容になってしまって申し訳ないのですが、そもそも高額のものや盗られたくないものは宅配員さんから直接受け取るようにしましょう。
宅配業者によっては商品を補償してくれる会社もありますが、宅配ボックスに投函した時点で「配達完了」となりますので商品は届いたことになり、泣き寝入りするしかないケースがほとんどです。
安ければ取られてもいいというわけではなく、絶対に盗られたくないものはしっかりと直接受け取りを選択しましょう。
ポストはしっかり施錠する
前章でご紹介しましたマンション内部に窃盗犯が入るケースでは、ポストが施錠されていると「ポストを解錠する」というステップが増えます。
解錠まで時間がかかると、犯人は犯行を諦めますので、少しでも時間稼ぎができるように戸締りはしっかり行うようにしましょう。
また「たかがポストの施錠」とお思いかもしれませんが、ポストに施錠をしない人や、ポストの中に郵便物を溜めている人は危険です。
空き巣はそのような人の習性を見て「この家はセキュリティが甘いな」と判断し、侵入してきます。
宅配ボックスの中だけでなく、家の中にある金品が盗られてしまうリスクも増えますので、ポストに施錠はしっかりと行うようにしましょう。
時間指定をして長時間放置しない
直接受け取りが難しく、止むを得ず宅配ボックスを使うという方は「時間指定」をするようにしましょう。
例えば仕事から帰って宅配ボックスを受け取るのであれば、宅配業者の配達時間の一番遅い時間を選択します。
そうすると、宅配ボックスに荷物が置かれている時間が短いので盗難のリスクが軽減できます。
また夜間は単身者向けマンションでも帰宅で人の出入りが多くなるので、人目につくことが多く窃盗犯も狙いにくい時間となります。
但し就寝時間を過ぎると、また窃盗犯に狙われやすい時間になるので、絶対に一晩置きっぱなしにするのはやめましょう。
自宅外で受け取るサービスを活用
直接受け取りたいけど、時間内の受け取りが難しいという方は自宅外で荷物を受け取れるサービスを活用してみましょう。
以下に大手宅配業者の受け取り場所についてまとめました。
直営店はもちろんコンビニやロッカーなど24時間対応で受け取れる場所も設定可能ですので、特に盗まれたくないものに関しては少し手間がかかりますが、受け取り場所を変更してでもセキュリティの高い方法で受け取りましょう。
宅配業社名 | 設定可能な受け取り場所 |
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郵便局 |
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ヤマト運輸 |
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佐川急便 |
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西濃運輸 |
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福山通運 |
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まとめ
便利な宅配ボックスですが、大切なお届け物が盗まれるのは誰だって嫌ですよね。
宅配ボックスを利用する際は、セキュリティの高い物件や宅配ボックスかどうかを確認し、不安であればできるだけ宅配ボックスに長時間放置をしないで済むように工夫するようにしましょう。
ポストに施錠をしたり、配達時間を調節するのは誰にでも簡単にできる工夫の一つなので、ぜひ今日から始めてみてください。
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